どうも、実効性がないと思うのだけど(日田市の共働き職員の給与削減案)
大分県の日田市というところが、職員同士が生計を共にしている場合、給与を一律20%削減するという条例案を議会に提出するらしい。詳しくは該当記事を参照。どうも、ここで生計を共にしている職員をあえてターゲットにする合理的な理由がよく分からなくて、日田市のホームページを見てみたのだけど書いてない。で、いろいろ考えてみたのだけど、よくある理由としては、
組合に全職員の給与削減案に同意させるために、撤回することを前提としたおとり案
というあたりが考えられるんだけど、議会に出しているからどうもそうではないらしい。
で、「法の下の平等」とかそういう話をここでしたいのではなくて、
どう考えたって、実効性ないでしょ。というか、きっと歳出削減じゃなくて、増加になるよ。
という話をするのです。
普通、これに該当する職員が自分だったとしたら、一人年収500万円だったら二人あわせて200万円収入が減ってしまうわけで、これは大事件だから、対策として、
とりあえず、別居するでしょ。
だって、大分なら別居で増える費用は200万円よりは多くないだろうし、本当に別居しているかどうかって、どうやって調べるの?という話もある。で、さらに悪いことに、
日田市では住居手当として4,000円から27,000円も支給している(東京都よりも多い!)
ので、該当する職員が別居したら、いままでは一世帯分で済んでいた住居手当を二世帯分支出しなければならなくなります。該当する職員は33組だそうだから、住居手当を支給額のちょうど真ん中の15,750円とすると、
市で見込んでいる削減額:5225万円の削減
私の試算による歳出増加: 624万円の増加=15,750円×33組×12ヶ月
となるんじゃないかなあ。あと、裁判になりそうだから、その費用も必要だね。いわゆる皮算用ってやつだね。
どっちかというと、職員数が738人だそうだから、同じ計算方法で計算すると.....
市職員に対する住居手当:1億4000万円程度
こっちを4割削減する方が合理的じゃないかな。大分県日田市で最高27,000円も支払う理由ってないでしょ。
まあ、根本的には職員給与費率が10%程度と大分県の24%に比べてかなり低いので、職員給与以外の部分で歳出の見直しをかけないと、大幅な歳出削減は難しいでしょ。
やっぱり、これは話題作りなのかな?
しかし、実効性のない条例を作るというのは、法治国家としては問題だよなあ。