読書メモ:斎藤惇夫「冒険者たち」
読書メモには読書メモだということが分かるように「読書メモ:」と書いてみることにしました。
さて、今回の読書メモは、「冒険者たち」です。こどもの頃に中途半端に見たアニメ「ガンバの冒険」の原作です。
なんで読んだかと言うと、娘の本棚にあったからなのです。考えてみればアニメも全部見た訳ではないので冒頭も結末もよく知らないのでした。なので、手に取って読んでみることにしたという次第です。
で、感想ですが、いつものように簡単に:
- ガンバの仲間たちがこんなにたくさんいるのに驚いた。そういえばイカサマとガクシャとヨイショとボーボは覚えていたけど、違う脇役もいろいろいたんだなと。(その後Wikipediaで見てみると、アニメでは原作よりもガンバの仲間たちの数が減っているとのこと。)
- 「ドブネズミとイタチの戦い」というストーリーなのだが、「ガンバとノロイ」というリーダー同士の違いという見方もできるのかなと。ノロイはスーパーマン型リーダーで個人的な能力の高さが他のイタチからリーダーとして認められる条件となっているのに対し、ガンバは能力よりも「思い」が周りから共感されてリーダーとなっているというとても対照的な両者であると読める。そして、ノロイはその個人的な能力をフルに活用してくるのに対して、ガンバの仲間たちはチーム個人の特性をフルに活用して対抗するという展開になっている。そういう見方で読んでいたのでとても楽しかった。
- リーダー対決としては、ベースの高いノロイ率いるイタチに対してガンバはドブネズミをなんとか統率してある程度互角に戦うことができた流れだが、第三極のツブリ(オオミズナギドリ)の存在がないと成り立たないストーリーだと言える(第三極が入ることによって力のバランスが変わる要素がないとイタチによるネズミ狩りの話にしかならない。)。その点で、ノロイがネズミ狩りに資源を集中できずにオオミズナギドリを巻き込んでしまったことが敗因だとも読める。
という感じで、ビジネス書チックに読むこともできて楽しい話です。でも読んでいる間は「ガンバ、ガンバ、ガンガンガンバ。ガンバ、ガンバ、ガンバと仲間たち!」の歌が頭の中をこだましていました(笑)。
冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫 (044))
- 作者: 斎藤惇夫,薮内正幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/06/16
- メディア: 単行本
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