とりあえず、なんか書きますか。

はてなブログに引っ越してきました、読書メモと日記を不定期に書いていくブログです。不定期なのは、相変わらずです。

石川幹人:「人間とはどういう生き物か」(ちくま新書)

久しぶりに読書メモ。積ん読をじわじわと解消中です。今回は、題名に惹かれて買ってみた新書です。内容としては、ロボットが人間に近づかない理由から裏返しに人間の意識とはどのようなものかということを考察していくものになっています。で、感想を…。

  • 将棋などの組み合わせ問題がコンピューターによって機械的に解けるだろうという期待がはずれていく過程が面白かった。つまりは、組み合わせがちょっと増えていくだけで計算量が発散していくというのが理解できた。また、遺伝的アルゴリズムというのはいろいろ聞いたことはあったが、かなり人間の意志を入れ込まないと最適化手法としては適していないということは知らなかったので、かなり勉強になった。
  • 足よりも手の知覚が早く感じられずに同時に認識される件とか、人間のほとんどの作業は無意識が担っているとか、日頃、そういうことに気づかずに生きていたけど、考えてみるとそうだなあと思った点が多かった。こうやって文章をタイプしていることだって、「右指の人差し指の第二関節をこのように曲げて…」なんて意識していたらいつまでたっても読書メモが書き終わらない(笑)。それほど多くのことを無意識にやっているんだなあと再認識した。
  • 一方で、最後の意識が量子理論の重なりとかの面から説明されるところはさっぱり分からず…。この辺は自分が数学あたまとしてはあまり高くないレベルなので演算とかがさっぱり。そして論理展開もついていけず…。まあ、なんか読み飛ばして終わりました(笑)。

全体的に見ると、「意識・無意識ってなんだろう」とか、「21世紀までの間にプロセッサの能力が飛躍的に向上してもコンピューターがすべての問題を解決しないのはなぜだろう」という疑問についてはそれなりにわかりやすい回答を与えてくれる本だと思います。最後の量子云々のあたりは、好みですね(笑)。

人間とはどういう生物か―心・脳・意識のふしぎを解く (ちくま新書)

人間とはどういう生物か―心・脳・意識のふしぎを解く (ちくま新書)