とりあえず、なんか書きますか。

はてなブログに引っ越してきました、読書メモと日記を不定期に書いていくブログです。不定期なのは、相変わらずです。

伊藤計劃×円城塔著:「屍者の帝国」(河出書房新社)

早世した伊藤計劃氏が残したプロットをもとに、盟友の円城塔氏が書き上げた話題の作品です。19世紀後半のイギリスを舞台に、「もしフランケンシュタインの技術が実際に行われていたら」という世界を書き出しています。とはいえ、私はフランケンシュタインの話をちゃんと読んだことがないので、なんか理解度が微妙な感じで読んでました。あとはネタバレになるから書かないのですが、この時代を描いた偉大な小説へのリスペクト、というか小説世界の積極的な取り込みみたいな感じで、自分的には読んでいる小説がいくつかあったので面白かったです。
しかしながら、ストーリーはなんかよく分かりませんでした。「人間の意識(魂)の原体はなんなのか?」という問いに対して一定のプロットを提示しているのですがそこがよく分からない…。ということで、アクションSF的な感じでどんどん読んでいましたが、まあ物語としてはスピード感もあり、落としどころも面白くて良かったんじゃないかなと思います。自分としては伊藤計劃氏の描くSFの緻密かつ奇抜な物語空間に対する強烈な印象があるので、それとどうしても比較してしまうのですが、そういうことをしなければ十分期待にこたえるないようなんじゃないかなと思います。微妙な表現ですね(笑)。

屍者の帝国

屍者の帝国