村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」
入院中に読んだ本7冊目です。これは再読。震災があった後、読まないとなあと思いつつ読んでいなかったので、入院の機会に読みました。レシートが挿んであったので見てみたら、2000年に買ってました。なので、11年ぶりに読んだことになります。で、感想を簡潔に:
- 「かえるくん東京を救う」がなかなかいいな(笑)。結局、幻想なのかそれとも真実なのか分からない終わり方なのですが、とても印象に残ります。
- 「タイランド」で出てくる「石」、なんか、リアリティを感じました。「国境の南、太陽の西」で石川県の川に灰を捨てに行くシーンがあったけど、それを思い起こさせました。
- この短編集は連作の短編に最後に「蜂蜜パイ」が書き下ろしで追加された形だそうなのですが、「蜂蜜パイ」が追加されたために、読後感がとてもよい本になっていると感じました。
やはり村上春樹の短編集はいつも読んでみると素敵です。阪神淡路の震災に関連して書かれた短編集なのですけど、「震災に直接関係しないひとに見えない形で残した波紋が重なり合って模様を描く」という感じです。今回の震災では、うちではこどもへの影響も考慮してなるべくテレビを見ないようにしていましたが、テレビの映像などで震災によって心を動かされたひとは、たぶん、この本を読むと、私とは違った印象を持つのかなあと思いました。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/02/28
- メディア: 文庫
- 購入: 22人 クリック: 427回
- この商品を含むブログ (347件) を見る