とりあえず、なんか書きますか。

はてなブログに引っ越してきました、読書メモと日記を不定期に書いていくブログです。不定期なのは、相変わらずです。

北川達夫・平田オリザ「ニッポンには対話がない」(三省堂)

久しぶりに読書メモです。この頃は英会話の準備やら何やらで本を読む余裕がなかったのですが、胃腸炎で仕事を2日間休んでいる機会にちょっと読書をしてみました(お腹は痛いですが…。)。
で、この本ですが、北川達夫さんの講演を聴く機会があり、とても感銘を受けたので、本を読みたいなあと思ったところ、職場の後輩が「持ってますよ。」とのことで、お借りして読んでみました。こういうつながりってちょっと良いなあと思ったり。
さておき、感想です。

  • 「対話がない」という内容を対話形式で本にしているのが面白いです。対話なのでとても読みやすかったです。まあ、本を作る人たちのちょっとした遊びなのかなあとも思いました。
  • 基本的には、「根本的に分かり合えないという立場でいかに対話(単なるコミュニケーションではなく相違点を明確にさせること)をして行くかが大事だ」というメッセージなのですが、北川さんのフィンランドの事例と、平田さんの演劇の事例があって、具体的なイメージで説明されているので理解しやすいです。もちろん、このテーマはとても深いので、簡単に理解して簡単に体現できるものではないと思いますけど、ただ、「そういうことを意識して日々を送らなくてはならないなあ」ということがとても理解できました。
  • この本の全体のトーンとしてちょっと思ったのは、「この二人の主張はとても似ていて、そういう意味でこの本自体が異文化コミュニケーション(=対話)にはなっていないなあ」ということです。日本人に売って行くにはこういう作りが良いのでしょうけど、本文中には多少は事例は出てきているものの、「ノウハウを吸収する」的な観点から言うと、異文化のコミュニケーションの実例みたいなのをもっとリアルに載せてもらえるともっと面白かったのかなあと思いました。

ともかく、世界はグローバル化しているので、鎖国でもしない限りは「対話」というのが必要になってくるので、それはスキルとして持っておいた方がよい、ということを理解しました。ただ、いかにスキルとして持つかはこの本では分からないので、そういう意味では入門編なのかなあと思います。なので、入門編として読むにはとてもおすすめなのかなあと思いました。

ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生

ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生