とりあえず、なんか書きますか。

はてなブログに引っ越してきました、読書メモと日記を不定期に書いていくブログです。不定期なのは、相変わらずです。

玖村まゆみ「完盗オンサイト」

知り合いの知り合いが作者だったので知り合いから勧められて読みました。考えてみると「江戸川乱歩賞」という賞を知ったのもは初めてで、受賞作を読むのも初めてです。まあ、こういうこともたまには良いよなということで、ストーリーがどうだかとか先入観なしに読んだ次第です。
で、感想ですが、「段落が短いなあ」というところです(笑)。今まで読んでいたのがレイモンド・チャンドラーとか村上春樹とかなので、一段落の長さが結構ある小説を多かったので、よけい違いが目立ちました。文章的にはそんなに改行を入れなくても良いのかなと思った次第です。とにかくそこが気になりました。
ストーリーは結構面白かったです。「人間は石垣を観ると登りたくなるのだろうか?」と思いました。春に大阪城に行って、夏には北の丸公園に行ってそれぞれ石垣を見ていますが、やはり石垣のあの傾斜には独特の匂いがあるのかなあと。でも自分は登れないなあとも。ということで、石垣を登るシーンはとても短いのですけど、日頃ほとんど頭に浮かぶことのない石垣と盆栽がかなり頭の中に残る話でした。
登場人物はけっこう浮世離れしているひとばかりなので、なんか筒井康隆の小説の雰囲気に似ている感じです。しかし、いくらでも金がある金持ちが出てくるのはちょっと反則かなあという気もします。なんでも金で解決しちゃうし。まあ、フィクションだから面白ければ何でも良いので、その辺も筒井康隆チックな感じかなあと。そういう意味では、きれいな終わり方じゃなくて、もっとカオスな終わり方でも良かったかもしれません(笑)。
しかし、「知り合いの知り合い」というくくりだとかなり多くの人と繋がっているんだなと実感した次第です。そういうことから読む本を選んでいくのも面白いですね。自分の趣味が広がった良い機会だったなあと感じました。

完盗オンサイト

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